実は、俺には約10年ほど悩んでいる病気がある。専門医にお世話になった事が２度あったのだが、先日仕事の事や私生活の事、育児の事のストレス等が積み重なってしまい、遂に爆発してしてしまった。その病の名は

うつ病

先月の上旬の話になるのだが、出勤途中で仕事の電話が入り、その際にKとのやり取り等板挟み状態になってしまい、突如気持ちがパンクしてしまった。それまで前述の通りのストレス、また疲れ等も影響してパンクしてしまったのかもしれない。職場に着いて即、車に載せてあった荷物をトランクから放り出し、訳が分からなくなってしまい、軽い錯乱状態に陥ってしまった。更に、鳴き叫ぶ王子にストレスを感じ、王子にあたってしまった。その後「もう嫌だ」と言いながら、その場から走って去ってしまったのだ。

本当に頭の中が分からない状態だった。

母とKから事情を聞いた父親が後ろから追いかけてきて、俺の腕を掴んだけれど、それさえも「もう嫌だ‼︎」と振り払って、走り去ってしまった。とにかく、本当にわけが分からなくなってしまったのだ。

大雨が振る中傘もささず市道を歩き、バイパス沿いの歩道を歩き、何故か吉野川大橋を歩いていた。国道を走る車から上がる水飛沫を幾度もかけられながらも、わけがわからずただ歩き続けていた。
自分の心がパンクしてしまった事、子供を傷つけた事、仕事を放り出した事、親の制止を振り切って逃げる様に走った事、様々な事が頭を過ぎって、本当に嫌になってしまった。そして

「死んでしまいたい。」

「死んでしまったら、何もかもから悩まされず、解放されるかもしれない」

と思っていた。

「吉野川大橋から荒れる川に飛び込もうか？もしくは、車道に飛び出そうか？」と暫く悩んでしまったのだが、何故か「話を聞いて貰おう」と思い、近くにある交番へ足が向いてしまった。

交番へ着いてすぐに警察官に王子に怪我を負わせてしまった事を話し、その経緯を聞かれた。その後職場へ向ったらしいのだが、Kから「大した怪我ではない」と説明を受けたらしい。俺がさくらん状態になっていたが故に、そういう風に感じてしまったらしい。その後母親が迎えにきてくれたらしいのだが、「嫌だ」と行って振り払ってしまった。交番に来るまでの間にした事に対して怒られると感じたか否かは定かではないが、とにかく帰りたくなかったのだ。その際にテーブルにあった所持品を払いのけて壁にくっついたままだった。それ程帰りたくなかった。
警察官に説得され何とか落ち着くも、そこでは話が纏まらなかったので、本署へ移送された。そこの部屋で再び事情を聞かれた。その際に、幼少期からこれまでの事を話し、何故パンクしてしまったのかを話した。

Kに言わせれば「俺は幼少期から親に押さえつけられて育った。故に、親の顔色ばかり気にしている」らしく、まさにその通りだと思った。小学生低学年の頃、宿題ができていなかった事に対して怒られ、勉強ができなかった事に対しても怒られ、更に学校から帰宅した後の事を紙に書いて壁に張り付けられていた。それができていなかったら勿論怒られたし、宿題が出来ていなかったら母親が背後に付きっきりで見張られていた。その時から勉強をする事が本当に嫌になってしまった。
それからも半ば強制的に親の手伝い等としないと怒られることがあったり、逆らったりすると叩かれたりした事もあった。「ゲームがしたいから嫌だ」と言ったら、怒った父親がゲーム機本体とソフトを捨てようとした事があった。

「他の子達は遊んでいるのに、なんでウチはこうなのだろうか？」

と幾度となく思った事があった。でも、手伝わないと怒られる、手を上げられる。その事があったが故に、いう事を聞くしか無かった。

正直、本当に遊びたかった。

更に遡ると、幼少期に東京から徳島へ移り住んだのだが、誰も俺の事を知らないし、更に言葉遣いが違うからという理由で口真似をされたり、走って逃げられたりした事が幾度かあった。ただその時の記憶は、そこまでしか無い。

幼少期の環境変化がここまで影響するとは両親も考えていなかったのかもしれない。

10年前に仕事の事でパンクしかけていた事があり、当時交際していた彼女に精神科連れて行って貰った事があったのだが、最初に行った病院では先生の物言いが気に食わなかった故に会わず、次に行った病院では先生と話があって不安時に飲む頓服薬を出して貰った。それを最後に安定していたので、その病院へはお世話になっていない。

警察の本署で俺の状態を見てか、両親と相談した結果か分からないが「入院できる病院を探している」と聞かされた。その中にS病院の名前があり、「そこだけは絶対に嫌だ‼︎」と拒否をした。（噂によると、入ると帰って来れなくなるらしい。）
その要望を聞き入れてくれた事は本当に有り難かった。徳島市内からは少し遠いけれど、今入院している病院は凄く居心地がよく感じる。最初の診察後、初めはリハビリ病棟の監察室に移されたのだが、自室の外から聞こえてくる職員等の声や音が嫌で耳を塞いでいた。約二日程そんな状態が続いていたのだが、徐々に環境と音、そこにいる職員になれた影響か耳を塞がないで済み、会話も少しづつできるようになった。
食事も自室だけではなく、患者さんが集まって食べる所で食事が出来るようになってきた。座る位置はその日によってバラバラだったけれど、ある朝座っていたら隣に座ったおじいさんが「わし、納豆嫌いだからあげる」と言って納豆をくれた。病棟内で他の患者さんと会話する人がいなかったので、少し驚いた。

その病棟では一週間程いたのだが、新しい病棟に移った。移る前に見学に行ったのだが、個室からの景色が良かったのでかなり落ち着ける感じだったので、すぐに部屋を移る手続きをした。

それから今の病棟に移って約一か月ほどになるが、作業療法士さんや当直の職員さんと会話をしたりする事ができ、かなり落ち着いて話が出来るようになったと思う。

最初は面会をすることも嫌だったけれど、職員さんに「妻に会いたい」と話し、面会をする事もできた。初めての面会の時はまだ精神的に不安定だった事もあって、本当に話しづらかった。外泊の許可が出たときは本当に嬉しかった。子供たちと会えたことも、本当に嬉しかった。
入院して以降子供たちに会えなくなっていたので、本当に寂しかった。

今は外泊期間が延び、徐々に退院に向けての準備段階に入った。一人で人混みにいるのはまだ厳しいけれど、それも徐々に戻せると思うと思う。

今は慌てずゆっくりと、投薬と静かに過ごす事で治すしかない。
完治までは長い時間がかかるかもしれないけれど家族のサポートを受けながら、完治を目指します。